2023.5.10 Wednesday
私達が普段何気なく使っている木製の家具やおもちゃ。大きなホームセンターにいけば沢山の木材が山積みになっています。でもそんな「木」たちはどこから来て、誰がつくっているんだろう。最近「糸島の木材」や「木の地産地消」って聞くけど、それってなあに?木に関わる人と糸島にのこる3つの製材所を訪問して、ちょっとだけ「木」や「森」について詳しくなってみよう。今回はきこりであり、木工作家のこもさんに糸島の森や製材所を案内してもらいました。
あかるい森だねー!ここはどこ?
ここは僕が管理している森だよ。
だれだおまえはーっ!?
僕はこもさん、きこりだよ。
こもさんはここで何をやってるの??
僕はこの森の管理を任されていて、間隔が詰まりすぎた木をきる「間伐」をしたり、そこで出た木を使っておもちゃや家具、楽器なんかを作っているんだよ。
どうやって切る木をえらぶの??
そうだね、木のサイズも大切だけど、森の管理もとても大切。だから、木と木の間にちょうどよい間隔があくように選んで切っていくんだよ。
わーほんとだ!また森があかるくなったね!
木の間から太陽の光が地表にあたっているね。こうすることで、木と木の間にいろんな植物が生えて、だんだんと自然な森にもどっていくんだよ。そして自然な森はとても元気。気持ちがよいでしょ?
これはなぁに?
これは製材に向かない木を使って作った「森のポット」だよ。僕はできるだけ、木を余らせずに使いたいと思っていて、これもそこから生まれた商品なんだ。
倒した木はできるだけ全部使うんだね。ちょっとまって、今言ってた「製材」ってなぁに?
「製材」というのはね、山で木を伐ってなにか作る時に、そのまま使えないから、製材所にもっていってきれいな板にしてもらうことだよ。糸島には3つの製材所があるんだよ。
へー行ってみたい!
オイラも一緒に行ってやってもいいぜ!
.....。zZZ
み、みんなで製材所に行ってみよう!
ここが糸島にある3つの製材所のひとつ堀田製材所だよ。堀田製材所は3代目の堀田さんが経営する86年続く製材所だよ。堀田さんこんにちは!
広いーー!そして沢山の丸太や材木があるね。
僕はここで、山からおろした木をどういうふうに使いたいか、いつも相談しているんだ。製材といっても、家具をつくるときとおもちゃを作る時では全然切り方も違うんだよ。例えば椅子とか重いものが載るものだとどのくらい力がかかるか考えないといけない。だからまずは堀田さんに相談して、サイズや切り方、使う部分、数なんかをきめていくんだ。堀田さんは、木のソムリエみたいな人で、使う用途に合わせてとても丁寧に考えてくれるから、とても助かっているんだよ。
いろいろ相談にのってくれるんだねー。こもさんみたいなきこりさん以外の人も相談にきていいの?
もちろんだよ。何をつくりたいか、どんなサイズでつくりたいかを考えて相談にきてみると良いよ。
ちょっとまってよ。大きなお店にもいろんなサイズの木もあるし、なにもわざわざ相談なんかしなくてもいいじゃん〜。
そうだね。今大きなお店でも沢山の木材が手に入るし、同じサイズの木がちゃんと集まってるからすぐに買えて便利だね。 でも僕は「木の地産地消」が大切だと思っているから、できるだけ、糸島の木を使うようにしているんだ。
「木の地産地消」?
うん、外国から沢山木をもってくることもできるんだけど、運送費がかかったり、排気ガスがでたり、安く手にはいること以外にちょっと気になることも多いんだ。でも糸島の木を使うことで、そういう問題も減って、森も元気になって、良いことが多いんだよ。そしてそれはやっぱり地元に製材所があることで成り立っていることなんだ。 そしてなんと言っても堀田製材所は「天然乾燥」にこだわっているから、とても良い品質の木が手に入るんだよ。
天然乾燥?どういうこと?
うん、木を切って大まかに製材したものを外に干して(野積み)、2ヶ月くらい自然に乾燥させて、それからきれいな木材にするんだよ。そうすることで元気な木材になるんだ。
2ヶ月ー!木を切ってすぐに使えるんじゃないんだね。
そうだね。人工乾燥させればすぐに使えるけど、僕は天然乾燥の木がすきだから、何かをつくるときは早めに相談にくるようにしているよ。
すごく手間がかかっているんだね…。
・・・・・。
じゃあ糸島の木を製材所で切ってもらってつかうことが、森を元気にすることにつながるんだね!
ははは、ざっくりだけどそうだね!
みんなもっと製材所を使うといいなぁ。
じゃあ最後に僕の工房に案内するよ。
やったー!
ここが僕の工房だよ。
わーーーここも広いね!
オイラの部屋はどこかな?
こらこら・・・。みたことないものがたくさん!
いろんな機械があるし、大きな家具を作ったりもするから、このくらいの広さが必要なんだよ。
これは木で作ったサイコロだよ。
これはこれは!?
これは、お仕事でつくった「はじめてつみき」だよ。あかちゃんが生まれた時にプレゼントするために作っているんだよ。このつみきもサイコロも山で切った木を製材所で切ってもらって、それをここで加工してつくっているんだ。
あんな大きな木から、こんな小さいなかわいいおもちゃができるんだね!
森で木をきるこもさんも、工房でおもちゃを作っているこもさんも真剣でかっこいいなー。森から木を切り出してからこの工房にくるまでに、製材所さんで相談したり乾燥させたり、たくさんの時間や手間が掛かっているから、とても大切に木をあつかっているように感じるよ。 こもさん、今日はありがとうー!
ありがとー!
ねぇ、この木屑をベッドにしてもいい?
<INFORMATION>堀田製材所:福岡県糸島市二丈深江1076−1/電話:092-325-0230営業時間:9時〜17時/日祝休みWebサイト:堀田製材所
©️糸島の木材を使おう!プロジェクト 2023
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